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アレルギー性結膜炎の子供さんを診療するときに気をつけていること

[2019.06.01]

[最終更新日:2023.03.07]

著者

上江田信彦

医学博士

日本眼科学会認定 眼科専門医

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アレルギー性結膜炎の子供さんを診察するときには三つのことに気をつけています。

  1. 子供さんはかゆい事を自分でうまく伝えられるとは限りません。
  2. ちいさな子供さんが自分で目薬を入れることは難しいです。
  3. 子供さんはステロイド薬の点眼で眼圧が上がりやすいです。

 

子供さんの20%がアレルギー性結膜炎であるという統計があります。また近年、子供さんのアレルギー性結膜炎が増加し、低年齢化しています。

私は 4月の末から5月の末にかけて近隣の小学校で眼科健診をしています。学校健診をするとアレルギー性結膜炎の子供さんが大勢いらっしゃいます。今年も学校健診で眼科を受診するようお勧めした子供さんのほとんどはアレルギー性結膜炎でした。

そのようなわけで5月の後半から6月にかけては、大勢のアレルギー性結膜炎の子供さんが私のクリニックを受診なさいます。アレルギー性結膜炎の子供さんを診察するときに気をつけていることがいくつかあります。

それは「子供さんはかゆい事を自分でうまく伝えられるとは限らない」「ちいさな子供さんが自分で目薬を入れることは難しい」「子供さんはステロイドの点眼で眼圧があがりやすい」という点です。

子供さんはかゆい事を自分でうまく伝えられるとは限りません。

目の「かゆみ」は軽症の場合には「目にゴミが入った感覚(ころつき 異物感)」と非常によく似ています。また、幼稚園くらいの子供さんでは「目をこすりたくなる」といえたらいいほうでしょう。

子供さんが目のかゆみや異物感を上手に伝えられないとき、私は子供さんが「目をこする」かどうかを症状の強さの目安にしています。診察の時にも目をこするような時はかゆみが相当強いことが多いです。

特に目のまわりにこすりきずがあるようですとかゆみがひどく、場合によってはアトピー性皮膚炎もおこっているかもしれませんから、皮膚科に紹介することもあります。

 

ちいさな子供さんが自分で目薬を入れることは難しいです。

アレルギー性結膜炎の治療の基本は抗アレルギー薬の点眼です。しかし小さな子供さんには自分で目薬を入れることが出来ない方が少なくありません。

ご家庭ですとご家族の方に目薬を入れていただけるのでしょうが、日中は幼稚園・保育園・学校の先生に目薬を入れていただく必要が出てきます。お忙しい先生方に子供さんの目薬をお願いするのも大変だろうと思います。

また小さな子供さんが目薬を持ち歩くと紛失しやすくなるでしょう。ですから小さな子供さんにはできるだけ点眼回数を少なくする必要があります。最近では一日二回の点眼でよく効く目薬がでていますので、おおいに活用しています。

 

子供さんはステロイド薬の点眼で眼圧があがりやすい。

アレルギー性結膜炎の治療の基本は抗アレルギー薬の点眼です。しかし目のかゆみが強い場合にはステロイド薬の点眼が必要になることがあります。よく知られているようにステロイド薬には副作用があります。ステロイド薬の点眼を使う場合には眼圧が上がることがあります。子供さんはステロイド薬の点眼で眼圧が上がりやすいので特に注意が必要です。

こう申し上げると「ステロイド薬を使わないで欲しい」とお考えになるかも知れません。しかし、目のかゆみがつらいことや、こすることによりアレルギー性結膜炎が悪化することを考えるとステロイド薬の使用がやむを得ない場合もあります。このような場合にはこまめに眼圧をはかり、ステロイドの強さを調整いたします。

まとめ

アレルギー性結膜炎の子供さんを診療するときに気をつけていること書きました。皆さんの参考になれば幸いです。

 

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