白目がべったり赤くなったら:球結膜下出血について
[最終更新日:2025.07.08]
著者
理事長 上江田信彦
医学博士 日本眼科学会認定 眼科専門医
ある日突然、白目が真っ赤に…それは「結膜下出血」かもしれません。ほとんどの場合は自然に治りますが、まれに注意が必要なケースもあります。
原因は?
はっきりした原因がわからないことが多いですが、
● 重いものを持ったときに力んだ
● 強くせき込んだり、くしゃみをしたとき
などがきっかけになることがあります。
目の病気:
・加齢で結膜(白目の膜)がたるむ「結膜弛緩症」
・目のケガ
・感染力の強い結膜炎(はやり目)
全身の病気:
・高血圧、糖尿病など血管が弱くなる病気
・血をサラサラにするお薬(抗凝固薬・抗血小板薬)
・紫斑病、白血病、肝臓の病気など出血しやすくなる病気
どんな症状がでますか?
● 突然、片方の白目が真っ赤になる
● 痛みはほとんどなく、チクッとする程度の違和感だけ
● 見え方(視力)には影響しない
● 自分では気づかず、周りに言われて初めて気づく人も多いです
● たまに、ゴロゴロしたり、目が痛くなることもあります。出血が多いとそうした不快感が出ることがあります。
● 出血が目の内側に入ることはまずありません。視力が落ちることもありません。
注意!
・目やにや涙がたくさん出る場合
・強いゴロゴロ感がある場合
感染性の強い結膜炎の可能性があります。早めに眼科を受診しましょう。
検査について
眼科では、次のようなことを調べます。
・はやり目やケガがないか
・痛みがある場合、その原因
・目の奥(眼底)に出血がないか
もし眼底に出血が見つかれば、全身の病気(血が止まりにくくなる病気など)を調べるため、内科での検査が必要になることもあります。
どんな治療をするのでしょうか?
ほとんどの場合、特別な治療は不要です。
● 不快感がある場合は、人工涙液などの目薬を使うことがあります
● 出血が多い場合は、血管を強くする飲み薬を使うこともあります
● いつも使っている目薬は、基本的にそのまま続けてかまいませんが、しみるようなら眼科にご相談ください
● 血をサラサラにする薬を使っている方は、治るのに少し時間がかかることもありますが、薬をやめる必要はあまりありません
生活上の注意点
● 基本的には特別な注意は必要ありません
● 赤みが気になるときは、メガネや眼帯を使うと気が楽になります
● コンタクトレンズは、違和感があるときは無理せずお休みしましょう
● はやり目の場合は人にうつることがあるので、タオルの共用を避けるなど注意が必要です
まとめ
「結膜下出血」は見た目のインパクトが強く、びっくりされる方が多いですが、ほとんどの場合は自然に治る心配の少ないものです。
ただし、赤みが長引いたり、何度も繰り返すときは、全身の病気が隠れていることもありますので、眼科や内科で相談してみてください。