選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)とは?|上江田眼科医院(八尾市)
[最終更新日:2025.12.05]
著者
理事長 上江田信彦
医学博士 日本眼科学会認定 眼科専門医
はじめに
「緑内障の治療といえば目薬」という印象をお持ちの方が多いかと思います。
しかし近年では SLTは、眼圧を下げるための安全で効果的な治療法として注目されています。この記事では、SLTの仕組みやメリット、治療の流れについて分かりやすく解説します。
SLT(選択的レーザー線維柱帯形成術)とは?
SLTは目の中の水の出口である線維柱帯に特殊なレーザーを当てることにより、目の中の水の流れを良くし、眼圧を下げる治療法です。
SLTが有効な緑内障の種類
- 原発開放隅角緑内障
- 眼圧が15mmHg以上の正常眼圧緑内障
- ステロイドによる緑内障
SLTがおすすめなのはどんな人?
- アレルギー性結膜炎やドライアイなどで既に何種類も点眼薬をお使いの方
- 認知症や手が不自由などで点眼ができない方
- 緑内障点眼薬にアレルギーなどの副作用がある方
SLT治療の効果
8割くらいの方で代表的な緑内障治療薬と同じくらい眼圧が下がります。効果は2~3年続きます。
SLT治療の副作用
レーザーをしたあと一時的に眼圧があがりますので、予防薬を使用する必要があります。1週間以内は目の中に炎症が残りますので、充血、かすみ、刺激感を感じることがあります。
SLT治療の流れ
-
ステップ1:眼圧予防の点眼
眼圧が上がるのを予防するための点眼薬を使います。 -
ステップ2:麻酔の点眼
点眼薬で眼を麻酔します。 -
ステップ3:レーザー照射
眼にレンズを当て、レーザーを照射します。痛みはほとんどなく、まぶしさを感じる程度です。 -
ステップ4:経過観察
治療後、しばらく院内で眼圧の上昇がないことを確認します。
SLT治療の費用
健康保険は使用可能です。片目につき、1割負担の方は約1万円、2割負担の方は約2万円、3割負担の方は約3万円を目安にお考えください。
SLTに関するQ&A
- SLTとは何ですか?手術ですか?
SLTはレーザーを当てて目からスムーズに水が流れるようにする治療です。広い意味では手術の一種ですが目にメスを入れません。
- どうしてSLTが必要なのですか?点眼薬ではダメなのですか?
以下のように点眼薬の使用が困難な方に有用です。
- 認知症や手が不自由などで点眼ができない
- アレルギーなどの副作用がある
- どのようなタイプの緑内障に効果がありますか?
高眼圧症、原発開放隅角緑内障、眼圧が15mmHg以上の正常眼圧緑内障に効果があります。ステロイドによる緑内障には特に効果があります。ただし重症の視野障害がある方には手術をお勧めしています。
- 眼圧はどのくらい下がりますか?
代表的な緑内障治療薬と同じくらい眼圧が下がります。
- どのくらいの期間、効果が持続しますか?
平均2~3年です。
- 再発したらどうなりますか?何度もできますか?
2度目の施術は可能です。3度目以降も施術は可能ですが、効果の検証はまだ行われていません。
- 点眼薬をやめられますか?
点眼薬を継続する場合が多いです。
- 他の治療法との併用は可能ですか?
点眼との併用は可能です。
- すぐに視力はよくなりますか?
SLTの目的は視力回復ではなく、眼圧を下げる事です。眼圧を下げることにより視野障害の進行を抑えることが目的です。
- 痛みはありますか?
個人差はありますが、レーザー自体の痛みはほとんどありません。むしろ、レーザーのまぶしさやレーザーするために目にひっつけるレンズの圧迫感のほうが気になると思います。
- 安全性はどうですか?副作用はありますか?
レーザーをしたあと1週間以内は目の中に炎症が残りますので、充血、かすみ、刺激感を感じることがあります。
- 治療はどのように行われますか?
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ステップ1:眼圧予防の点眼
眼圧があがるのを予防するための点眼薬を使います。 -
ステップ2:麻酔の点眼
点眼薬で眼を麻酔します。 -
ステップ3:レーザー照射
眼にレンズを当て、レーザーを照射します。痛みはほとんどなく、まぶしさを感じる程度です。 -
ステップ4:経過観察
治療後、しばらく院内で眼圧の上昇がないことを確認します。
- どのくらい時間がかかりますか?
片目につき、5~10分です。
- 日帰りできますか?
はい。
- 治療後、すぐに日常生活に戻れますか?
はい。
- 治療後、注意することはありますか?
注意するべき事は特にありません。洗顔も入浴も可能です。
- 一度に両目にできますか?
医院により異なります。当院ではご相談に応じます。
- 費用はどれくらいですか?保険は使えますか?
健康保険は使用可能です。
片目につき、1割負担の方は約1万円、2割負担の方は約2万円、3割負担の方は約3万円を目安にお考えください。
各種医療保険・生命保険を使える場合がありますので、保険会社の担当の方にあらかじめご相談ください。
著者からのメッセージ
私は眼科医ですが、自分に目薬をさすのがとても下手で、持病のアレルギー性結膜炎の治療にも苦労しています。私が正常眼圧緑内障や原発開放隅角緑内障、ステロイドによる緑内障になったらまずSLTを試し、上手くいかなかったら目薬を使うことになると思います。
※当院は大阪府八尾市にある眼科クリニックです。遠隔地にお住まいの方はまずお近くの医療機関にご相談ください。
