秋の花粉症対策で目の健康を守る【八尾市の眼科専門医が解説】
[最終更新日:2025.08.04]
著者
理事長 上江田信彦
医学博士 日本眼科学会認定 眼科専門医
©Thermo Fisher Scientific
「秋なのに花粉症?」
「花粉症」と聞くと、多くの方が春のスギやヒノキを思い浮かべるとおもいます。でも実は、花粉症は春だけでなく、秋にも私たちを悩ませることがあります。
「秋の花粉症ってどんなもの?」と思われるかもしれませんね。春の花粉症とは少し種類が異なり、主な原因となるのは、ブタクサやヨモギといったキク科の植物の花粉です。これらの植物は、空き地や河川敷などでよく見かけます。
私たち八尾市のある関西地方の秋の花粉は例年9月から10月頃に特に多く飛んでいます。
秋の花粉症は意外と身近な存在です
「ブタクサやヨモギでアレルギーが出るの?」と不思議に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこれらの花粉でアレルギー症状が出る方は決して少なくありません。
確かに、検査で陽性となる方の割合は、スギ花粉が約60%、ハウスダストが約37%と高いのに比べると、ブタクサで約12%、ヨモギで約12%と、数字だけ見ると低く感じられるかもしれません。
しかし、これは決して珍しいことではありません。例えば、ネコやイヌのフケによるアレルギー陽性率がそれぞれ約11%や約10%であることを考えると、ブタクサやヨモギの花粉症も、動物のアレルギーと同じくらい身近なものだと言えるでしょう。
秋の花粉症、こんな症状にご注意を
秋の花粉症でよく見られる目の症状は春の花粉症と同じく、目のかゆみが最も多いです。その他にも、目が充血したり、目やにが出たり、目がゴロゴロするといった症状もよく起こります。まぶたにもアレルギー性の炎症(花粉性眼瞼炎)を起こすこともあります。
また、アレルギー性鼻炎も併発し、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの鼻の症状に悩まされることもあります。
秋の花粉症から大切な目を守るには?
それでは、どうすれば秋の花粉症から大切な目を守れるのでしょうか?
草むらにはなるべく近づかない工夫を
ブタクサやヨモギのような草の花粉は、スギやヒノキのように遠くまで飛散するタイプではありません。そのため、草が生い茂っている場所、例えば空き地や公園の草むらなどにむやみに近づかないだけでも、花粉を吸い込む量をぐっと減らすことができます。お散歩コースを選ぶ際など、少し意識してみてください。
早めの受診がお勧めです
「もしかしたら秋も花粉症になるかも…」と心当たりのある方は、花粉が本格的に飛び始める2週間ほど前から対策を始めるのがおすすめです。
八尾市にお住まいの方でしたら、だいたい8月の中旬頃には、私たち眼科専門医が処方する抗アレルギーの目薬を使い始めるのが良いタイミングと言えるでしょう。早めに準備をしておくことで、つらい症状が出るのを和らげたり、快適に秋を過ごしたりすることができます。
症状が出始めたら早めに受診しましょう
もし「目の痒みが気になるな」「目がゴロゴロする」といった症状が出始めたら、我慢せずにお近くの眼科にご相談ください。適切な診断と治療で、あなたの目の健康をサポートさせていただきます。
秋の花粉症の治療法
秋の花粉症の治療法は、基本的に春の花粉症と同じです。
抗アレルギー薬の点眼
花粉症にはまず抗アレルギー薬の点眼を使います。
ステロイド薬の点眼
抗アレルギー点眼薬だけではかゆみが十分におさまらない場合は、ステロイド薬の点眼薬を追加します。
ただし、ステロイド薬の副作用として、眼圧上昇、感染症、白内障などが起こることがあります。特に、お子さんの場合は眼圧上昇を起こすことが多いので、ステロイド薬使用中は定期的に眼圧をチェックする必要があります。ご安心ください、当院では患者様一人ひとりの状態に合わせて、慎重に処方しております。
ステロイド薬の軟膏
花粉性眼瞼炎でまぶたの皮膚にかゆみがあらわれたときに使います。
副作用としてはステロイド薬の点眼と同様に、眼圧上昇、感染症、白内障などが起こることがあります。
抗アレルギー薬の内服
アレルギー性鼻炎を起こしている場合や、点眼薬を使えない場合などに、抗アレルギー薬の内服を用いることがあります。
治療がうまくいけば、症状は楽になってきます。花粉症の治療は対症療法に過ぎませんので、次の年の同じ時期に同じような症状が出ます。症状が辛くならないためには、なるべく花粉を避けることと、なるべく早く治療をすることが大切です。
気になる症状がありましたら、どうぞお気軽に当院にご相談ください。
【最後に一言】
この記事を読んで、秋の花粉症について少しでも理解を深めていただけたでしょうか?もしご自身の症状に心当たりのある場合は、お一人で悩まずに、ぜひ一度お近くの眼科にご相談ください。
参考文献
アレルギー性結膜疾患診療ガイドライン(第3版)日眼会誌: 125: 741-785,2021
アレルギー総合ガイドライン2022,(株)協和企画、東京、2022年
「2017年度日本眼科アレルギー学会アレルギー性結膜疾患実態調査」日眼会誌. 126 (7): 625-635, 2022
関連記事
※当院は大阪府八尾市にある眼科クリニックです。遠隔地にお住まいの方はまずお近くの医療機関にご相談ください。
